事例紹介

最後に、商品設計や商品化に向けて、注意すべき事項をご紹介です。

製剤剤形毎の最小ロット設定と商品設計

多くの場合、商品製造は、以下のように剤形によって最小ロットの設定方法が異なってきます。

製剤の剤型最小ロット設定要素商品最低ロットの計算例
錠剤重量 例:60kg条件:1粒300mg、4粒/日、30日分/商品
60kg÷300mg÷4粒÷30日=約1666商品
ハードカプセル
ソフトカプセル
カプセル数
例:10万粒
条件:4粒/日、30日分/商品
10万÷4粒÷30日=約833商品
顆粒分包重量 例:100kg
分包数 例:3万包
条件:1包5g、1包/日、30日分/商品
3万包(150kg)÷30日=約1000商品

また、商品設計によっても、商品の最小ロットが変化してきます。多くの顧客は、この剤形による最小ロット設定要素の違いがわからないため、希望最小ロットを商品数のみを求めてきます。その際、OEM営業マンは、商品最低ロットの計算方法の説明と合わせて、製剤最小ロットを加味した商品設計を提案しなければなりません。上記を理解して、商品設計や商品提案を行っていきましょう。

原産国表示や栄養成分表示

近年、顧客とトラブルになる可能性が出てきているのは、原産国表示や栄養成分表示です。ポイントと対策を紹介いたします。

原産国表示

原産国表示は、まだ猶予期間が残っていますが、すでに多くの商品で表示が行われ始めています。その際、問題になりやすいのが「中国製造」という表記です。これだけ中国製造の原料が氾濫していると、当然、こういった表示の可能性が生じてきます。

商品設計段階から原産国表示を想定して提案を行っていく必要があるのです。特に、グルコサミン・シトルリン・オルニチン・HMBなどは、高配合するケースが高いため、注意が必要です。

栄養成分表示

なぜ?

と思う方もいらっしゃると思います。

それは、平成27年4月の食品表示法の改定時、ビタミンやミネラルなどの栄養素の表示ルールについて、認識が浅いです。

ビタミン・ミネラルに関しては、表示値に対して行政機関等の求めに応じて表示値の設定根拠を説明できる資料が求められるようになっております。その場合、減衰するビタミンなどは、加速試験後の分析結果や成り行き保管後の分析結果などが必要になってくるのです。
健康増進法上、強調表記すると分析が必要になってきます。その点を加味し、表示内容について顧客と調整を行う必要があるのです。

パッケージ表示上のトラブル回避術

パッケージは、広告表現以上に関連法規を遵守していなければならないです。一方、広告表現(ランディングページなど)と同じ表示ができると勘違いしている顧客が多いのも実際です。

前項の食品表示法に関わる部分だけでなく、薬機法や景品表示法に関わる部分も注意が必要です。多い事例として、有機・天然・生・無添加などの表現には注意が必要です。

初めてOEM製造を行われる顧客に対しては、そういった注意点を事前に示すことでトラブル回避になります。消費者庁や東京都など、行政のページでもNG事例などを紹介しておりますので、それらを上手く活用して対応する必要があるのです。

OEM営業マンとして働いていると、様々なトラブルに出くわすでしょう。また、法改正も数年おきに行われ、対応が求められます。様々な事象に対して、臨機応変に対応していく必要があります。

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