ここ数年、テレビやチラシでプロテオグリカンという言葉を聞く機会が増えたと思います。プロテオグリカンは、美容ドリンクや関節向けサプリメントで活躍している新素材です。
近年は、ヒトでの有効性(膝関節炎、お肌のハリ・シワ・シミなどへの効果)が数多く報告され、プロテオグリカンの機能性表示食品も多く販売されています。
プロテオグリカンってどんなもの?
まず、プロテオグリカンって、どんなものなのでしょう?どんなものから作られているのでしょう? プロテオグリカンとは、お肌や関節に含まれる保水成分です。コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどと一緒に存在しています。現在、主に氷頭(ヒズ)と呼ばれる鮭の鼻軟骨から抽出されています。
このプロテオグリカンは、羽毛のような形状をし、ヒアルロン酸の鎖に生えています。実は、ヒアルロン酸と共に、お肌や関節の保水作用を担っている成分なのです。
プロテオグリカンとコンドロイチン
コアタンパク質から生えたグルコサミノグルカン、実は、主にコンドロイチンです。コンドロイチン原料は、プロテオグリカンを分解・抽出して作られます。
このコンドロイチンが生の形のままで存在しているのがプロテオグリカンであり、分子量100万Da以上の極生な状態なプロテオグリカンに存在するコンドロイチンは、極生コンドロイチンとも言えるのです。
どうして今までなかったの?
さて、どうして、コラーゲンやヒアルロン酸ほど知られていないのでしょう?それは、プロテオグリカンが壊さずに抽出することが非常に難しかったためです。一方、壊れてしまい、細かく分解された成分は、実はコンドロイチン硫酸(グルコサミンのお供)として有名だったりもします。
壊れない形での抽出が非常に難しかったため、プロテオグリカンは、1g3000万円という宝石なような価格で流通していた時代もありました。そして、2001年、弘前大学で鮭鼻軟骨からの食酢(酢酸)を用いた抽出法が開発され、低コストかつ高純度の条件でプロテオグリカンの大量生産が可能となりました。
進化し続けるプロテオグリカン
現在では、根室圏産業技術振興センターのグループの研究により、さらに壊れていない生の形により近い極生プロテオグリカンの大量生産も可能になっています。そして、その研究は、米国での特許取得や、ものづくり日本大賞・内閣総理大臣賞の受賞などと評価されつつ、ヒト臨床試験での効果の実証や絶対分子量の解明など、現在でも進化し続けています。
現在、塗布でのヒト有効性データも示され始めており、今後、極生プロテオグリカンを配合した抗シワ化粧品なども増えてくると予測されます。
※本記事は、健康ジャーナルで連載されている記事を見やすく改変して転載しております。