リスクゼロはありえないからこそ「信頼性」
食品を扱う企業として、安全な食品を提供したい、回収などの不祥事は起こしたくない、と考えるのは当然のことです。では、健康食品・サプリメント作りを外部に依頼する立場である場合、食の安全についてどう考え、何をすべきでしょうか。
食の安全は、リスク、コスト、メリットというようなビジネスの問題であると同時に、法令を遵守しようとしているのか、社会的使命をどう考えているのか、というような倫理的な問題でもあります。まず、この2つを企業としてどう考えるのか、ある程度は考えをまとめておくべきでしょう。
例えば、「法令遵守の範囲で、コストをできるかぎり抑える」「社会的使命を重視し、コストを惜しまない」といった考え方です。その上で、自社の考え方に合った依頼先を探し、リスクに関する正確な情報を企業間で共有し、相互に意思疎通を図る「(狭義の)リスクコミュニケーション」を行う必要があります。
食の安全に関するリスクは、少ないことが望ましいのですが、リスクをゼロにすることはできません。このため、上手にリスクとつきあっていくことが必要になります。そういった意味でも、依頼先の企業は、きちんとリスクコミュニケーションができ、信頼関係を築いていけるような「パートナー」と位置付けて探すことが重要です。